hmi.Ic_45s | 太陽光球面輝度(全面像、45秒間隔) | |
hmi.V_45s | 視線成分ドップラー速度 (全面像、45秒間隔) | |
hmi.M_45s | 視線成分磁場 (全面像、45秒間隔) | |
hmi.M_720s | 同 (12分間隔) | |
hmi.S_720s | Stokes 変数 (全面像、12分間隔) | |
hmi.ME_720s | ME (Milne-Eddington) 太陽磁気大気モデル逆算解 (全面像、12分間隔)。JSOC では HAO によって開発されたモデルを元に、HMI データ処理のために改良が加えられたモデルを使っています。磁場に関する3つの情報 (強度・方位角・視線にたいする角度) 等がデータに含まれます。磁場の方位角について 180 度不確定性が残っているので、不確定除去モデルを独自に持っている場合や磁場の視線と垂直な成分の強さだけについて解析する場合など限られたケース以外では、この処理段階でのデータを直に使って解析する事は少ないのではないでしょうか。元の観測がフィルタグラムによるものであるため、いろいろな要素を加味する必要があり最終版に至るのは難しいようですが、その時点でもっとも良好と判断されたモデルパラメータ・手法によるものを公開しています。 (*) 2012年6月に、FD10 という(内部モデルの符号をうしろにつけた)名前の series (hmi.ME_720s_fd10) が公開されました。これは最小残差探索法について改良がなされたもので、残差が複数の局所極小値を持つ場合に明らかに非物理的な極小値点へ収斂する事態を出来るだけ避ける工夫が加えられたものです。この部分の改良により。要求される計算時間がかなり短縮し、より多くのデータについて処理することが可能となりました。2015年時点ではこれが最新の公式版となっています。 | |
hmi.B_720s | 3成分磁場の太陽全面像データ (12分間隔)。上記 ME_720s_fd10 の ME 解がもつ (視線に対して垂直な) 方位角の不確定性を、NWRA/CoRA で開発された手法を用いて除去したもの。除去にあたり処理対象領域全体で足し合わせた残差を最小化するような大局的最適化の手順を用いています。ですから処理対象領域の大小の違いによって、得られる最適解が異なる場合があります。黒点やその近傍のように強い磁場の領域ではこの差異はほぼ無いようです。研究対象が黒点・太陽活動領域である場合には、次の SHARP データを用いる事をお薦めします。 | |
hmi.SHARP_720s または hmi.SHARP_cea_720s | 3成分磁場データ (12分間隔 ; 活動領域)。上記 hmi.ME_720s_fd10 データに対して、個々の活動領域に限定して方位角不確定性除去モデルを適用したデータが SHARP (Space-weather HMI Active Region Patch) というデータ系列名で公開されています。2つのデータ Series があります。そのうち、CEA と名の付いたものは、当該領域を直上から見続けるような視点から眺め続けた局所直交座標系 (円筒等積座標系) に変換されたベクトル成分のデータを格納もので、太陽微分回転を相殺するための位置合わせや、ベクトル成分の回転といった処理が施されています。活動領域のベクトル磁場データをすぐに使ってみたいという場合におそらく最適でしょう。また、識別された個々の領域ごとに領域の磁気的活動の程度の指標の値がそれぞれの時刻ごとに計算されています (値は FITS ファイルのヘッダ領域の格納されている)。ある時刻には複数の太陽活動領域があることが多いので、この SHAPR データを取得する場合には、時刻と活動領域番号の2つを指定する必要があります。特に下記の (3c) と (3e) を読んでください。 CEA データについては、座標変換に際して空間補間が施されている点と、特に大きな活動領域での座標系の疑似平面と太陽球面との差異 (一画素の占める面積等) がある点に留意してください。 | |
AIA | AIA データのうち、波長について「ある程度」のふるい分けがなされたデータへのリンク:
超紫外線領域、12秒間隔 : 94Å, 131Å, 171Å, 193Å, 211Å, 304Å, 335Å, 紫外線領域、24秒間隔 : 1600Å, 1700Å, 可視光領域、1時間間隔 : 4500Å | |
Synoptic Map | Magnetogram 視線成分磁場データから作成された太陽全球面の磁場マップで、Radial 法を用いて動径成分に変換されたもの (視線成分ではない点に留意):
NRT (near-real-time) daily (1日に1度、概ね UT で午後2時ごろ更新。速報性を重視したものです),
daily (最終版),
Carrington 自転数毎。
太陽全面ベクトル磁場データから作成されたもの: Carrington 自転数毎 | |
MHD | 手前味噌ですが。太陽光球面磁場の Synoptic Map を境界条件値に使い Polytrope 近似で計算した太陽コロナの MHD 解: NRT (near-real-time) daily (ある程度時間が経つと消去されます), daily (最終版磁場データを使ったもの), 1太陽自転周期毎。 |
1. mag = readfits('hmimag.fits',maghd) ; FITS ヘッダからデータの横・縦の大きさの値を取り出す。 ; HMI 太陽全面像データではともに 4096 のはず。 2. xsize = sxpar(maghd,'NAXIS1') 3. ysize = sxpar(maghd,'NAXIS2') ; 太陽像中心の横・縦方向画素番地。 ; 1引くのは IDL だから。Fortran なら要らない。 4. cnterx = sxpar(maghd,'CRPIX1')-1.0 5. cntery = sxpar(maghd,'CRPIX2')-1.0 ; CCD 格子の縦方向と太陽自転軸のなす角。 ; SDO 衛星ではほぼ全てのケースで 180 または 0 に近い値。 6. pangle = sxpar(maghd,'CROTA2') ; 観測時刻に於ける、地球 (SDO) 位置の太陽緯度。 ; B0 角と同じ。単位は度。 7. bangle = sxpar(maghd,'CRLT_OBS') ; 観測時刻に於ける、Carrington 経度と自転数 8. crlong = sxpar(maghd,'CRLN_OBS') 9. cr_num = sxpar(maghd,'CAR_ROT') ; おまけ・1 ; 通常、太陽像の縁からある程度離れた観測データの無い部分には ; NaN 値が埋め込まれています。NaN 値をそのままにしていると、 ; 後々いろいろと面倒なのでここでてきとうな処理をする事にします。 ; ; データが浮動小数型の場合には 10. nanlist=where(finite(mag,/nan)) ; と NaN 値をもつ画素の配列番地リストを作ります。 ; ; 実際の観測データには観測誤差その他があるため ; 単精度・倍精度の精度やデータ深度は無い事がほどんどですから、 ; HMI データベースではファイルサイズ節約も兼ねて、 ; 磁場データ始め多くのデータは整数型データとして格納されています。この場合、 11. bscale =sxpar(maghd,'BSCALE') 12. bzero =sxpar(maghd,'BZERO') 13. nanval =sxpar(maghd,'BLANK')*bscale+bzero 14. nanlist=where(abs(mag-nanval) lt 0.9*bscale) ; などとし、観測データとして空白を意味する (NaN 値に対応する) 整数値を ; もつ画素の番地の一覧を作ります。 ; ; そして・・・ NAN 値を0に置き換える。まあ、邪道。 15. if (nanlist[0] ge 0) then mag(nanlist)=0.0 ; おまけ・2 ; 太陽像中心にあたる画素を中心にくるりん、と反時計回りに p-角だけ回転。 ; これで太陽北極が画像データ上の上側にくる。空間補間が施されるので注意。 16. mag=rot(mag,-pangle,1.0,cnterx,cntery,/interp) ; 素の 4096 x 4096 のままだといろいろ困るので、 ; 全体を小さくして(分解能を落として)表示 17. tvscl, congrid(mag,512,512) ; 一部分だけを元の分解能で表示 18. tvscl, mag(2000:2511,2000:2511) 19. end ; おわり